ブライドルレザーでつくる、こだわりがつまったオリジナルコースター
商品をつくっている「人」が大事と言われて
今回ご紹介するのは、現在進行中の案件です。
まだプロジェクトの途中で商品も完成していないのですが、お客様と夢を共有し、一緒に考えながら商品を作っていく過程がとても楽しくワクワクしています。
そこで、途中経過ですがレポートしてみます。
制作している商品は本革のコースター。
本革製品はこれまでにも色々と作成しています。
形も色も全てオリジナル、ご指定のままに作ることができます。しかも最小ロットは100個から。
完全オリジナルでの商品・グッズ制作としては、なかなか他にはない少なさだと思います。
革にこだわる方にはイタリアンレザーをおすすめしております。柔らかで手に馴染むなめらかさは、使用していくうちに革の艶が増して愛着のわく一品が作れます。
今回のお問い合わせは、最初、「コースターが作りたい」という内容でしたので、いつものように革の色や形を選んでいただいて進められるなと思っていました。
その場合、サンプルを持参しての打ち合わせからスタートになります。
しかし、今回はまずお電話で詳細を伝えたいということで、その後、実際にお会いすることになりました。
こちらのツイートがその際のものです。そうなんです、「声が聞いてみたかった」ということで、その雰囲気をみて、是非会いたいと言ってくださいました。
確かに、自分に当てはめても、長年使うこだわりのものを買うときは、どこのお店で買うか、もっと言うと誰から買うかは大事なポイントです。
リアルのお店の場合は、店内の雰囲気、接客の仕方などを肌で感じて総合的に判断しています。
Novelty Cafeはオンランでやっているお店の為、そういった雰囲気を判断するのがどうしても難しい。そこでお電話で声を聞きたいとのことだったのです。
実はお問い合わせに至る前にも、ものすごくたくさんの会社さんを比較検討され、記載している一文一文、ブログの記事など、細かく読んでくださっていました。
そうやって選んでくださったことは、私たちにとって大変嬉しく、電話でお話しして感動してしまいました。
実際のショップの雰囲気を体感して、ものづくりに生かしていく
次に、対面での打ち合わせをしました。実際にコースターを使う店頭の様子を見に伺いました。
場所は東京から車で1時間ちょっとのところ、神奈川県山北町にひっそりたたずむカントリーパブです。天然酵母のパンを販売されながら、カントリーパブのオープンに向けて準備をされていました。
都会での喧騒を忘れさせてくれる静かな雰囲気と緑の香りで、打ち合わせといいながらすっかりリラックスした気分になりました。
オーナーさんも、まさにそれを体感してもらえる場づくりをしたいとおっしゃっていました。
とにかく、オーナーさんの溢れる熱い想いが感じられる打ち合わせで、実際に伺って本当によかったと思いました。
さて、ついにコースターのお話に参りましょう。
イギリスの革を使い、世界に一つだけのコースターをつくる
まず、革製品で大事なのが「革」です。
革と一口に言っても、動物の種類、加工の仕方などでこんなにバリエーションがあるのかというくらい種類があります。
どういった質感なのか、色合いなのか、その辺りをお客様のお好みを聞きながら選んでいきます。
今回のオーダーは、非常に面白くて「イギリス産のレザーであること」でした。
店内の雰囲気はいわゆるアイリッシュパブの雰囲気そのものです。日本ではあまり馴染みがないため、総称としてカントリーパブと表現していらっしゃいます。
イギリスから取り寄せた家具や小物が置かれて、窓の外の風景とも相まって日本ではない場所にいる錯覚を覚えます。
オーナーさんご自身もイギリスにいた時期があったため、思い入れは強いものでした。
実は、Novelty Cafeのスタッフもヨーロッパ好きばかりなので、ヨーロッパらしさ、こだわりについて意気投合。
日本の建物や製品のもつ便利さ、新しさではなく、古いものを丁寧に使う、長く持たせる美学のような部分を、今回のコースターにも生かしたいという話になりました。
ちなみに、普段私たちが取り扱っている革は、イタリアンレザーです。革について原産国の指定は受けたことがなかったので、イタリアンレザーの中でバリエーションを出してきました。
いつもお願いしている革の工場ではイギリスレザーの取り扱いがなかったため、まずは工房と革の手配からスタートしました。
使い込むと美しい艶が増す、丈夫な革「ブライドルレザー」
イギリスのレザーを使うというのは打ち合わせで決まりましたが、実際にコースターにするにあたり大事にしたかったのが、今回のお店やオーナーさんとの相性です。
結論としてブライドルレザーを使うことにしました。
なんといっても、その堅牢さと美しい光沢が特徴です。イギリスで1000年以上前から続く伝統的な製法で、革に何度もロウを塗りこむことで繊維を引き締めます。表面に白く浮き出ているのはロウで「ブルーム」と呼ばれており、ブライドルレザーの証でもあります。使用するうちに徐々にブルームが取れ、美しい光沢のある表情へ変化します。(中略)1900年創業の英国名門タンナーによって生み出される極上レザー。完成までに約5か月を要する工程は、複雑で手間もかかる。まさに職人が生み出す、極上レザーです。
https://cocomeister.jp/f_lecture/curriculum03_4.htm
この説明文を読むだけで、革好き・ヨーロッパ好きならゾクっとしませんか?
お客様の目指す世界観にもマッチすると感じ、ご提案したところ、こちらでやってみたいと言ってくださいました。
ブライドルレザーですが、上の説明にもあるように堅牢さが魅力です。そのため、非常に硬く扱いが難しいため、扱うには熟練した職人技が必要になります。大量生産がメインではなくこだわって制作をしている工房にお願いし、サンプルをつくるところからはじめました。
仕上がったサンプルがこちらです。
左が黒、右はチョコレート色です。左のコースターの白い線がブルームというロウが浮き出たもの。こちらは使っているうちに馴染んで光沢へと変わっていきます。
右のコースターではすでに線は消え、馴染みはじめているのがわかります。
実際に手に取ると、ずっしりとした重みがあり、いかにもこれから使い込むと変わっていくのが感じられワクワクします。
革の色味本も手配し、これからお客様に選んでいただく段階です。
革の色味本だけでテンションが上がってしまうのは、この革の持つ魅力ゆえかもしれません。
ついつい、こんな写真も撮りたくなりました(笑)
なんともフォトジェニックなコースターです。
世界に一つだけ。こだわりの名入れをしたコースター
このコースターのこだわりはまだまだあります。
実は、1点ずつお名前を入れて、自分だけのオリジナルコースターにしようというのです。
1点での名入れはNovelty Cafeの得意分野です。以前にも結婚式の席札代わりに名入れコースターをお作りしたことがあります。
この時の箔名入れはキラッとした箔が美しく華やかで、結婚式にぴったりの雰囲気になりました。
しかし、今回のコースターとの愛称はどうでしょうか。
いぶし銀のような雰囲気のこだわりの革で、何年も何年も使っていただきたいものです。
だとすると、キラッと光る箔が最適解ではないように思えます。
そこで考えたのが、今回のコースターにぴったりの、革以上に堅牢で、かつ雰囲気のある名入れ方法でした。
こちらについては、現在絶賛試作中。
チラッと画像をお見せして、また進展したらMagazineでご報告したいと思います。
これ以上ないくらいのこだわりを、どう表現していくかというところから一緒に考えていくものづくりスタイル。
心から湧き上がる表現したい想いをぜひ共有させてください。
お問い合わせお待ちしております。