「版代」とは?版代を節約するヒントやノベルティ制作のデザイン事例もご紹介
ノベルティやオリジナルグッズを制作するために、業者へ依頼する際にかかってくる「版代(はんだい)」。
初めての人には、なじみのない言葉ですよね。
この記事では、版、そして版代とは何か、版代の節約方法、実際のノベルティ制作事例をお伝えします。
版代とは何かを詳しく知ることで、予算内でさらに工夫を凝らしたノベルティが制作できますよ。
「版」「版代」とは?
まずは、版についてご説明します。
印刷工程における版とは、印刷をするための情報(文字や図形など)を掘った板のようなものです。大きなハンコや版画をイメージしていただくとわかりやすいかもしれません!
そして版代とは、印刷時に使用する「版」を作るための費用のことを指します。
印刷版代、製版代、印版代、刷版代などと呼ばれる場合もありますね。
版は、使う色の数だけ必要になるため、多色刷りだとその分版代がかかります。つまり、版の数はインクの数と同じ!
しかし、一度版を作ってしまえば保存期間内なら繰り返し使えるので、再印刷時の版代は無料です。
(版の保存期間はアイテムによって異なります)
「版代」と「印刷代」の違い
時々「印刷代のほかに版代も必要なの? 」と質問をいただくことがあります。
先ほどと同様の例をつかうと、版はハンコ自体を作る費用、印刷代はハンコにインクを付けて押印するための費用です。
ちなみに版代の相場は3,000~30,000円程度ですが、具体的な金額は内容によって大きく変わります。
ノベルティ制作を検討されているかたは、依頼する前に見積もりを出して確認しておくことをおすすめします。
「版代」がかからない印刷方法
ここまでご説明してきた版代ですが、印刷方法によってはそれがかからない場合もあります。
印刷方法には主にオフセット印刷とデジタル印刷があります。
このうち版代がかかる印刷方法はオフセット印刷、版代がかからない印刷方法はデジタル印刷と呼ばれています。
オフセット印刷とは、インクの色ごとに版を作り、各色の版を刷り重ねて印刷を行うもの。
版代がかかりますが、印刷品質が高いこと、つくる数が増えるほどに費用がお得になる特徴があります。
これまで説明してきた手法のことですね!
一方、デジタル印刷とは、版を使わず、デジタルデータから印刷対象に直接印刷を行うものです。オフセット印刷に比べて印刷品質は落ちますが、版をつくる工程が不要なためスピーディに仕上がり、版代がかからないことから少部数でも費用が抑えられるところがポイントです。
このような違いを理解した上で、デザインや予算に合わせた印刷方法を選んでみてくださいね。
版代を節約しながら、こだわりのノベルティを作るには?
版代は工夫次第で節約したり、お得に活用できます。
実際にノベルティを制作する際にかかる費用の内訳を確認し、各費用を抑えるためのヒントをチェックしてみましょう。
ノベルティ制作をする場合にかかる費用の内訳
ここでは、タオルへ名入れする場合を例に費用の内訳を見ていきます!
タオルの名入れに必要な費用は、以下の通りです。
①タオル本体価格
印刷対象である、タオル自体の価格です。
②版代
版を作るための費用のです。
③印刷代
タオルに文字を印刷するための加工代やインク代などの総額です。
④梱包代
印刷したタオルを梱包するための費用です。
商品のサイズ・のしの有無などによって料金が変わります。
では、それぞれの料金を節約するにはどのような工夫ができるでしょうか?
印刷対象の素材・サイズから節約する
印刷対象自体の価格が安いものを選べば、費用が節約できます。
例えばタオルであれば、本体価格を左右するのは素材の量や質。
大きいサイズのタオルであれば、その分綿を多く使っていますのでタオル自体も高くなります。
価格を抑えるために、小さくしたり、薄いタオルを選んだりするのもひとつの手です。
また、抗菌加工が施されていたり、フェアトレードのコットンを使っていたり、今治タオルのように産地を限定したブランド品などでも価格が変わります。
色数を減らして節約
先ほど、色数は版の数と同じだとご説明しました。つまり色数が多ければその分だけ版代がかかります。
そして版が多いと、その分印刷代も増えます。
色数を減らすと、版代・印刷代ともに抑えることができるのです!
グッズやノベルティをつくる際は、この点も意識してみてくださいね。
リピート注文で版代を節約
版は一度作ってしまえば、同じものを何度でも使用することができます。
そのため、リピート注文の場合は版代が無料!
ただし、リピート時に版を作り直したり、版の保存期間を過ぎていると版を再作成する必要が出てきます。
その場合、再び版代が発生してしまうため注意してくださいね。
ロット数を増やして節約
版が必要な印刷方法なら、印刷部数が多いほど単価が安くなるため部数を増やすこともひとつの手。
版の必要な印刷方法の代表格・シルクスクリーン印刷は、枚数が多いほどお得になります。大ロットであれば使わない手はないでしょう。
ただし、1枚〜10枚などの小ロットの場合は割高になってしまうため、版代のかからないデジタル印刷などがおすすめです。
同じ版でインクの色を変える
節約をしたいけど、印象の違うノベルティをもう一つ作りたい…!
そんなときは、同じ版でインクの色を変えてみてはいかがでしょうか。
インクを混ぜてお好みの色で制作することもできますよ。
色を変えることで、インク代や版の洗浄代が追加で発生することがありますが、同じ版を使うのであれば版を作り直すよりも安く済むことがあります。
どのくらい安くなるかは印刷部数やデザインによって変わってくるので、見積もりを出してもらうなど、事前に確認した上で検討しましょう。
素材(タオルなど)の色を変える
インクの色と同様、タオルなどの素材自体の色を変えてみるのもおすすめです。
基本的に同じ素材であれば追加料金はかからない場合が多いので、費用を抑えつつバリエーションを持たせることができますよ。
こちらの写真は、カラーバリエーションが豊富で、40色のカラーから選べます。写真のように、カラフルに展開しても素敵ですね。
Tシャツのカラー展開にあわせて版の色も変えることで、統一感を保ちつつデザインの独自性も出せますね!
同じ版を別のノベルティにも使う
同じ版を使って別のノベルティを作ることもできます。
例えば、タオルに使用した版をTシャツにも使用することで、Tシャツの版代は無料になります。
オリジナルグッズとして統一感のある展開ができますね。
こちらは、同じ版でトートバッグと巾着袋を作りました。
アイテムごとに版(ロゴ)の色も変えています。
版代をかけずに多種多様なバリエーションが作れるのは大きなメリットですね。
ただし、印刷対象によっては追加料金がかかることもありますので依頼する業者とよく相談しておきましょう!
版自体のサイズを小さくして節約
印刷対象の面積が大きければ大きいほど、それに合わせた大きさの版が必要になるため版代は高くなります。
例えば印刷対象が、大きな箱の「全面」であれば、版代と印刷代で10万円を超えることも。
ワンポイントなど、版自体のサイズを小さくすることで版代を抑えることができますよ。
Novelty Cafeでは、今回ご説明したようなコスト面を含めたデザインや、素材に合わせた印刷方法も考えてご提案しています。
長く使いたいと思える、あなたらしいノベルティ制作をご希望の方は、ぜひお気軽にご相談ください! 印刷の疑問やグッズ制作の疑問も、理解できるようご説明しながら一緒に進めていければと思っています。